(2021年2月)この半年の変化とぼくが影響を受けた周りのすごい人たち
こんにちは。
保育園のPTA会長として無事にサンタさん役を演じきった「のり」です。
久しぶりのブログ更新です。
えーっと、このブログを書き始めた当初は、この町のありのままの「田舎暮らし」情報を発信するものだったのですが、最近では半年ごとにぼくが頑張ってきた成果をさらけ出す「発表会」になっております。
ごめんなさい。
でも、内容としてはただの自慢とかそういうのじゃなくて、リアルな「田舎暮らし」情報を発信していることに変りはありません。
ただ、前と比べて視点がちょっと変わっただけです。
「ただ取材した情報」じゃなくて、「積極的にぼくが挑戦している情報」に。
だから、この記事はぼくにしか書けないし、もっと手触り感のある情報になると思っています。
「荘川町」がこれからどのように変わっていくのか、例えるならば、ぼくの視点から見るこの町の “超ロングドキュメンタリー映画” を、半年ごとにコマ撮りでお届けさせていただければなぁと思っています。
お楽しみに!
※めちゃくちゃ長いです。でも、お時間があるときに最後まで読んだくれたら嬉しいです。
<目次>
- デザインの勉強してます
- 1,500メートル走がんばってます
- ツリーハウスプロジェクトに参加
- 「未実会(みみかい)」が動き始める
- 「つながり」こそがぼくたちの強さだ
- この町に必要のない人なんてひとりもいない
- 最後に
デザインの勉強してます
みなさんは「CANVA」というツールをご存じでしょうか?
パソコンにソフトをダウンロードやインストールしなくても、インターネットにさえ繋がっていればブラウザ上でチラシやバナーなどを作れちゃう便利なやつです。
オリジナルの名刺やロゴを作れたり、写真の文字入れなど割と何でもできちゃうからすごいですよね。
しかもクラウド上に自動保存されるからデータ損失の心配もなし。
今年の我が家の年賀状はこれを使ってつくらせてもらったんですよー。
ではなぜ、デザインの勉強をがんばりだしたかというと、単純におしゃれなものが好きということもあるんですが。
ぼくが住んでいるような田舎町では、インターネットの広告よりも「ポスター」や「チラシ」の 宣伝効果が大きい からです。
都会のように街の中の至るとこに広告が貼られているような場所だと話は別ですが、自然に囲まれた素朴な町に「ポスター」や「看板」があったらみんな見ちゃうんですよね。
子どもからじいちゃんばあちゃんまで見てもらえます。
だから、もしぼくがデザインができたら、地元の商品のチラシをつくれたり、この町のために何かできるかもと思って頑張っています。
ちなみに、ぼくの作品第一弾として、地元のお酒である「どぶろく荘川桜」さんの三つ折りパンフレットを作らせていただいたんですよ。
まだまだ未熟者ですが、これからもっといろんなものがつくれるように頑張っていきたいと思います!
1,500メートル走がんばってます
人生を楽しく生き抜くためには体力が必要ですよね。
簡単にくたばるようなじいちゃんにはなりたくないものです。
しかし、ぼくの日常には運動をする習慣が全くありません。
この状況に危機感を感じたぼくは、毎朝近くの 小学校までランニングする ことを決意しました。
急にそんなことを始めるもんですから、3日坊主で終わるんじゃないかという嫁からの冷ややかな視線を背中に感じておりましたが・・
今のところなんとか続いています 笑
(最近は雪のため休止中)
仕事に行く前に少しだけ。
はじめはとりあえず続けることを目標にしていましたが、そのうちタイムを測ってちゃんと記録に残すようにしました。
試しにランニング用のアプリを使って測ってみると、小学校までの往復距離がちょうど1,500メートルくらいだということが判明しました。
タイムはというと、10分44秒。
ちなみに、全国の中学一年生の1,500メートル走の平均タイムを調べてみたら、6分53秒でした。
うっそ。
ぼくってめちゃめちゃ遅いじゃないですか(^_^;)
でもこの数字のおかげで尻に火が付きました。
「やってやろうじゃないの!」
それからというもの、前を走る架空の少年(中一)を妄想しながら「こんにゃろー」という気持ちで走り込む毎日が続きました。
おかげで、数か月後には少年の背中をとらえることに成功。
記録は、6分47秒。
見事勝利を勝ち取ることができました!
「っしゃーみたかー!」
走り終わったあと、しばらく息が整いませんでした。
いやでも、うれしかったなー。
いい歳こいて、早朝からひとりでガッツポーズ決めてました 笑
まあこんな調子で運動習慣をつけて、元気な100歳のじいちゃんになる ことを目指します!
(ぼくの住んでる地域では毎朝、新聞が家のポストまで届かずに公民館の横のプレハブに届けられます。なので、ランニングのついでに新聞を取りにいって隣の実家に届ける習慣も身に付きました。ちょっとばかりの親孝行かな?)
ツリーハウスプロジェクトに参加
2020年秋。
「一色の森キャンプ場」で面白い挑戦が行われていました。
その名も「ツリーハウスプロジェクト!」
キャンプ場管理人「じょりー」さんによるプロジェクトページ
これはキャンプ場に入ってすぐ目の前にドーンと立ちはだかる「木の上の小さなおうち」を設置しようというプロジェクト。
なんと高さは地上10メートル。
そしてその材料集めや加工作業のほぼ全てを自分たちで行ったそうです。
すごいですよね!
ぼくはこのプロジェクトを知ったとき、ぜひ参加させてもらいたいと思って、いても立ってもいられなくなったのを覚えています。
だってワクワクするじゃないですか 笑
ぼくは最後の組み立て設置作業にちょっと参加させてもらっただけなんですが、
いろんな人と出会えて、いままで経験したことがない貴重な時間を過ごさせていただきました。
地から生えている木を柱にし、なるべくこの5本の木を傷をつけることのないように工夫をこらしながら土台の梁を設置する。
そして地上で組み立てた小屋をクレーンで吊り上げていく。
すげー。
写真で見ると普通に建ってますけど、現場にいるとこれが「普通」じゃないことが分かります。
オモチャじゃないんです。ほんとうの木の上にほんとうの小屋が設置されているんです。
接合部とか、耐久強度とか、素人のぼくにはどうなっているのかよくわかんなんだけど、作業に関わるとこの偉大さが直感としてわかるんです。
そして、身の回りの建設物に敬意をいだくようになりました 笑
このプロジェクトからぼくが学んだことは、建築技術もそうなんですが他にもう一つ大事なことがあります。
それは、「たった一人の情熱」が未来を切り開くということです。
今回はキャンプ場の管理人さんの「思いつき妄想」が発端となり、一年前の5月に知り合いの凄腕リーダーにツリーハウスの構想をもちかけたところから始まっています。
そこから模型をつくり、人を集め、材料を調達し・・
一年後には本当に立派なツリーハウスができてしまったんです!
正直やばいなーと思いました。
夢を追いかけることのすばさしらを教えてくれました。
うまくいかない現実にくすぶっている自分に勇気をくれました。
始めはたった一人の思いつきでも、その人の本気さや熱量が周囲にじわじわ伝わっていき、ちゃんとそこにかけがえのない「仲間」が集まるのだなと勉強させていただきました。
いつかはぼくもこんなかっこいい大人になれるように頑張りたいと思います!
「未実会(みみかい)」が動き始める
昨年の2月に地元を盛り上げたいという同世代の人たちが集まって「未実会」という会が結成されました。
とはいっても、最初はお互いに「こんな町にしたいよね~」なんていう夢や理想を語り合う感じの会でした。
ぼくはメンバーのみなさんの前向きな意見を聞いては興奮し、心の中でずっと「いいね!」とつぶやいていました。しかしながら、月に一度集まって話し合うだけでは周りの状況は何も変わらず、この一年のうちに行動まで至ったものはありませんでした。
こりゃだしかん!ということで、メンバーたちの中で何か一つでもやり遂げたものを作ろうと、最近では具体的な形にしていこうとする動きが強くなってきました。
まずは ホームページを立ち上げ 、ぼくたちの存在や実績をしっかりと目に見える形にしていくことを決めました。
この「実績」ページの中にきっとこれからぼくたちの面白い試みがどんどん掲載されていくことでしょう。
未来が楽しみですね!
「つながり」こそがぼくたちの強さだ
先日、未実会メンバーの一人が発表してくれた内容がとてもすばらしくて、ぼくの心に深く響いたのでここで紹介させてもらいたいと思います。
彼が発表してくれた内容は、「荘川の子どもたちに夢をもたせる地域教育力とは」です。
なんだか壮大なスケールの話ですよね!
彼の話す内容はまるで大学の講義のようでした。
(彼は義親の自営業を手伝う傍ら、週に数回「大学の非常勤講師」もやっている本物の大学の教育者なんです!)
彼はこの日、荘川の子どもたちがどうして夢がもてないのか、保護者は子どもの学力を高めるために何をすべきかという問題に対して真剣に話してくれました。
<内容を抜粋>
・親とは違う少し離れた「大人」とのつながりが子どもの自己肯定感を高める
・「友人」よりも「目標にしている大人」の存在が子どもの学習意欲を高める
・社会関係資本(つながり)が多い「家庭」の子どもは人間関係が豊かになる傾向が強い
この内容をぼくなりに要約させてもらうと、
・子どもたちの周りの「大人」がしゃっとせなだしかん!
ということだと思います。
(雑でごめんなさい 笑)
つまり、この町にいる「大人」たちがちゃんと夢を持って行動して、前向きに生きる姿勢を背中で語ってあげることが大事ということ。そしてそんな「大人」たちが近くにいることが、子どもたちにとっての最高の教育なんだということです。
これに気づいたとき、ぼくは胸が痛くなりました。
なぜなら、ぼくには子どもたちに語れるようなことは何も達成してないし、未だに何ひとつ希望の光を見せてあげることができていないからです。
ぼくは弱い。
ほんとに弱すぎます。
デザインやWEB関係の勉強をしてるけど、まだほとんど何も結果を残せていないじゃないか。
1,500メートル走を頑張って走って健康になれたとしても、子どもたちに背中で語るものがないまま長生きしたって意味ないじゃないか。
こんなんじゃダメだ!
ぼくが子どものころ、周りの大人はどうしてくれた?
たとえぼくが暗い顔して歩いていても、近所のおばちゃんはいつでもとびっきりの笑顔と元気いっぱいの声で挨拶をしてくれたじゃないか。
ぼくが飼っていた犬が死んで泣いていた日も、学校の先生は放課後に教室に残り続けて励ましくれたじゃないか。
ぼくが自転車で田んぼに落っこちちゃったときも、謝りにいった田んぼの持ち主のおじちゃんは笑って許してくれたじゃないか。
気がつけば、ぼくはこの町で大きな笑顔と大きな愛情に包まれて育ってきたことを忘れていました。
両親はもちろん。
じいちゃんばあちゃん。
学校の先生。
近所のとうふ屋のおばちゃんも。
こんなぼくにいつも笑顔で優しくしてくれました。
そして生き生きと暮らしている町の大人の姿が明日への希望を抱かせてくれました。
だから今度はぼくがこの町の子どもたちの背中を押してあげる番なんです。
もっと強くならなきゃ。
大切なものを守るためにはもっと強くならなきゃ。
だって、この町の人たちはみんな大切な仲間なんですから。
彼が教えてくれたことはきっと、「つながり」こそがぼくたちの強さだ!
ということだったんだと思います。
この町に必要のない人なんてひとりもいない
この日、子どもたちへの教育についてのすばらしい発表をしてくれた彼は、数年前に他所からこの町に移住してきてくれた方です。
都会近郊で生まれ育ったことから、地域の付き合いといったものをあまり経験したことがなかったそうです。
だからこの地域にやってきたときに、この地域の人たちの「つながり」がある文化にとても驚いたと言っていました。
「祭り」では毎晩遅くまで芝居の稽古して、「消防団」では夜警の見回りをして、「学校」では郷土学習として地域の方々が教育に参加する。
こんなにも人と人とのつながりのある文化って、同じ日本でも他にはあたりまえにあるものではないそうです。
(この町で生まれ育ったぼくからすると、逆にこの付き合いが嫌だなーという感覚もあるんですけどね 笑)
今でもこの町の人口はどんどん減り続けています。
子どもの数は本当に少ないです。
現に、児童数の減少から、荘川の小学校と中学校は数年後に義務教育学校として統合されることが決まっています。
そして、今まさにどんな学校にしたいのかという設計を行っている段階なのです。
彼がこの日発表してくれた内容は、そんな荘川の新たな学校を設計する上での提言書として書かれたものでした。
彼の話す言葉には力強い説得力がありました。
大学教育者としての論理的な知見と、確かなデータに裏付けされた証拠と、彼の積み重ねてきた人生経験から導き出された解答といった感じで、彼にしか出せない深みのある言葉だったんです。
“数は少なくても、ここには都会にはない強さがあって。
それは一言で言えば「つながり」なんだと思う。
これだけは決して都会に負けていない。
都会近郊で生まれ育ったぼくが言うんだから間違いないよ。
年齢とか価値観とかそういったもの以前に。
ここでは「地域というくくり」でさまざまな「集団」をなしている文化に驚いた。
だって今までこんな経験してきたことがなかったから。
でも移住してきてみてわかったんだけど、これってすごく大きな資産なんだってことに気がついたんだ。
ひとりひとりがお互いに助け合い、つながりあって暮らしている。
だからもしも、みんなの周りに自分はなんにもできない、自分なんてこの世界に必要ないなんて思ってる人がいたら。
全力で励ましてあげて欲しい。
だって この町に必要のない人なんてひとりもいない んだから。
たとえば、貧血になりやすくて貧弱に思われていた鎌型赤血球の人種が、マラリアの感染症に対してはとても抗力の強い構造の生体であったように。
人の弱い部分というものは状況によっては強い部分だったりする。
きっと先代の人は無意識に、本当に生き抜くためにやってきたことだろうけど。
全ての人たちが助け合うということは生存戦略としてとても合理的なこと。
この町には町ぐるみの「互助」の文化がいまでも息づいている。
この文化が根付いたという歴史がこの地域社会の生き方を教えてくれているんだ。
あたりまえでいて、時代の流れによって忘れてしまわれがちだけど。
ぼくたちの根本にはとても強い「つながり」がある。
母親が我が子を想う気持ちと同じくらいに。
地域の人が地域の子を想う気持ちがある。
この「つながり」が消えてしまわない限り。
ぼくたちはもっと強くなれるから大丈夫!”
ちょっと大げさかもしれないけど、彼の言葉の向こうからぼくはこんな心強いメッセージを受け取りました。(そんなこと言ってないって?)
いやいや、彼はこの町の「祭り」にはまりこんでしまったあまり、この「祭り」に参加しない若者を叱りつけたくらいの人ですから 笑。
そんな愛情を持っている人だから、きっと大げさなんかじゃないと思います。
「未実会」という有志の会があることもよく考えたらすごいことですよね。
だって、仕事も違うし趣味も違うしそれぞれ全然違う人生を生きてる人たちなのに、ふとしたきっかけから、ただ「この町に住んでいる」という共通点だけで集まっているんです。
そんな人たちが自分たちで会費を集めてこの町の未来が面白くなるための活動をしている。
月に一度集まっては真剣に勉強会とか開催してる。
ときどきお酒も飲みながら。
・・いやいや、意外とけっこう真面目に考えてるんですよ。ほんとに 笑
エンジンを回すには燃料(お酒)が必要ですしね。
でも、こんな人たちのことこそが「つながり」ですよね。
みなさんの周りにもこんな「つながり」ありますでしょうか?
最後に
こんなにも長い文章を最後まで読んでくだりありがとうございました。
ぼくはこれを最後まで読んでくださったみなさんとの「つながり」も大切にしたいと思っています。
ここにいる方とはなんだか同じ匂いがします 笑
最後にぼくから一つお願いがあります。
それはこんな小さな田舎町でがんばっているぼくや仲間の今後の活動を温かく見守っていて欲しいということです。
「へーこんなことやってるのかー!」
とか、
「ちょっと見ないうちにこんなことやってたの?」
といった感じで、ときどき見にきてくださると嬉しいです。
今は形にできないかもしれないけれど、今後ふとしたきっかけで お互いに助け合える かもしれないからです。
未来のことはだれにも分かりませんが、ぼくたちはつながっていればきっとどんな困難も乗り越えていけると思います。
みなさんとのつながりが未来のぼくらの力になると信じています。
「つながり」を大切に、みんなですてきな社会を作っていきましょう。
それではまた。