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【 ふるさと祭り 】 30頭の獅子が優雅に舞う ~シシマイのヒミツ教えます~ 

先日行われた「第32回飛騨荘川ふるさと祭り」の様子を とあるゲスト をお呼びして共にお届けしていきたいと思います。

 

お楽しみに~!

 

 

目次

 

さっそくですが、まず初めに今回のゲストをお呼びしたいと思います。言わずと知れた祭り界の大御所、シシガシラ さんです!

 

こんにちは。

 

町内各地の巡業でお忙しい中、来ていただきありがとうございます。誠に勝手ながら、貴重なご意見を期待しております。

 

おいさ、よろしく。

 

 それでは、シシガシラさんと一緒にこの「ふるさと祭り」について紹介していきたいと思います。

 

「ふるさと祭り」とは?

 

何をするお祭りなの?

 

シシガシラさん。まずはじめに教えて欲しいんですが、これって何を目的としたお祭りなんですか?

 

ずばり。わが町自慢じゃ!

 

「ふるさと祭り」が始まった当初のテーマは「食と緑」でした。

緑豊かな大自然が生んだ、素朴さあふれる食文化を紹介しようという目的で行われ、「食」をメインとした催しとして始まりました。

現在では、全国に向けて「飛騨・荘川」を総合的にアピールし、地域の活性化と文化の振興を図るために行われています。

つまり、町おこしの一大イベントということですね。

郷土のPRがメインで行われています。

 

 

もっといろんな人に この町のことを知ってもらおう というお祭りなんですね。

 

具体的な内容はざっくりとこんな感じです。

 

 

・毎年、10月の第3日曜日に行われる

・30頭の獅子が舞う 連獅子 が圧巻

郷土芸能が披露される ※1

・特産品の「そば」や「 高冷地野菜」 などが販売される

・最後には当り番号つきの「あっぽ(餅)拾い」がある

 

 

 

毎年5千人もの方が見にきてくれるそうですよ。

 

おっとーろしや!町民の5倍じゃ。

 

※1

今年(2019年)の郷土芸能は以下のものが披露されました。

・「飛桜会」による和太鼓

・「民謡保存会」による民謡

・「座・舞踊道」による 創作日本舞踊

郡上市の「宝暦義民太鼓」によるミュージカル太鼓

 

 

みんなが楽しみにしているこのお祭りですが、シシガシラさん的には今年の出来はどうでしたか?

 

ひりひりほ~。

 

 

・・えーっと(汗) あ! 毎年とてもすばらしい出来なので、別に語るまでもない・・ということですね。

 

 

何が見ものなの?

 

つぎに、このお祭りの見どころを教えてください。

 

そらもう 30頭の連獅子 に決まっとる。 ひりひりほ~ふぅ~

 

このお祭りの見どころは何と言っても「30頭の連獅子」です。

野外の長い特設ステージで、町内の6つの神社からあつまった獅子たちが一列に並び、同時に舞いを披露します。

実際に会場で見るとけっこう迫力があるので、怖くて泣きだしてしまう子どもがちらほら。

秋の深紅に染まりかけた森の中で、カツラの鮮やかな黄色をバックに、力強く舞う獅子たちを見ていると日常では体感できない独特な風情を感じます。

 

獅子舞界のAKB48みたいなもんじゃな。

 

演じられる曲は江戸時代に創作された「数えうた」というもの。

雅楽和楽器の笛や太鼓)の演奏と歌に合わせて舞います。

マイクで音を拾ってスピーカーから流しますが、全て生演奏で行われているんですよ。

録音された音源を使わずに人によって全て作り上げられるゆえに、この獅子舞というのは味わいがあるんでしょうね。

ちなみに、「数えうた」とは恋を歌った曲なんだそうです。

 

 

シシガシラさんがおすすめする連獅子の見どころって何かありますか?

 

そばがうまい。

 

 

獅子関係ないですよね・・(汗) あ! そば のようにしなやかで美しい舞である・・ということですね。

 

 

いつからやってるの?

<広報しょうかわ 昭和63年12月号より>

 

ところで、これっていつから始まったお祭りなんですか?

 

昭和63年(1988年)に行った「紅葉まつり」が前身となっておる。 バブリぃ~おったまげー

 

1980年から1990年頃にかけて日本の中では地方博覧会ブームが起きていました。

1988年に岐阜県でも岐阜市で「未来博’88」が行われ、それに便乗するような形で飛騨地方でも「飛騨・高山食と緑の博覧会」というものが行われました。

その博覧会のサテライト会場(別会場)での催しとして行ったものが始まり。

初めは「紅葉まつり」という名前でした。

翌年から「ふるさと祭り」と改名し、現在まで毎年開催され続けています。

 

今年で32回目じゃ。わいらよーやってくれて感謝しとるぞ。

 

3年に一度だけ「ひねり踊り」がというものが披露されます。

「ひねり踊り」とは 、昔の大名行列をまねたもので、江戸時代末期に、村人たちが神社の社殿新築や実りの秋を祝って踊り歩いたのが始まりとされています。

町民たちが花笠、奴(やっこ)、武士 などに仮装し、踊りながら長い行列をなして練り歩きます。

村人たちで始めただけあって、権力を持つ大名の存在がいないのが特徴です。

 

 

長年続く伝統のあるお祭りとお伺いしております。どうしてこのように長く続けてこられたのでしょうか?

 

「あっぽ」ってかわいいよね。

 

 

・・ちょっと意味わかんないんですけど(汗) あ! 「あっぽ(餅)」のように粘りづよい町民たちの志で受け継がれてきたから・・ということですね。

 

 

会場内を散策してみよう

 

入場口で協力金を募っています

 

入場料ってかかるんですか?

 

「協力金」という形でみなさまから募っておるんじゃ。

 

入場口ではスタッフが協力金(1人200円)を集めています。

これは強制ではありませんが、祭りの運営をするにあたって貴重な財源となっています。

みなさまのお気持ちで運営ができているという訳ですね。

協力された方はこのようなかわいい「ふるさと祭りステッカー」がもらえます。

 

 

おれも欲しい。

 

 

出店がたくさんある

 

出店がたくさんあるんですね。

 

お昼どきになると、そばの店に行列ができるぞい。

 

このお祭りのもともとのテーマが「食」だっただけに、出店もたくさんあります。

今年出店されていたものはというと、

 

・そば

・炊き込みごはん

・いわなの塩焼き(川魚)

・おはぎ

飛騨牛まん

・けいちゃん餃子

・たこ焼き

・やきとり

・みたらしだんご

・カレー

・焼き栗

・ソフトクリーム

・飲み物各種(ビール、ソフトドリンク、お茶)

 

などなどたくさんの飲食系のお店が軒を連ねています。

他にも子ども向けの「くじ引き」や「無料ゲーム」がありました。

おいしそうな匂いにつられて歩いてみると、どの「食」も食べたくなること間違いなし。

外で買って食べるものってより一層おいしいですよね。

 

今年は、タピオカミルクティーもあったのう。

 

 

顔パネルがある

 

あ!観光地によくあるやつですね。

 

場内には獅子舞の顔パネルが設置してあります。

特に子連れの親子には人気の撮影場所になっています。

ぜひお子さんのかわいい写真を撮ってあげてくださいね。

ただし全体を撮ろうとすると顔の部分が小さくなってしまうのでご注意を。

 

わいら、SNSで拡散じゃー。

 

おすすめの楽しみ方

  

シシガシラさん。ぜひこのお祭りのおすすめの楽しみ方を教えてください。

 

おいさ、特にお客さんの反応がよかった所を紹介するぞい。

 

 

舌を出してる獅子を探してみよう

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30頭の獅子をよーく観察してみてください。

すると、1匹だけ他の獅子と違うものがいることに気がつくはず。

ときどき口から舌をびょーん。

なんと舌を出す獅子が一匹混じっているんです。

これを見つけた子どもたちは「あー!」って言って大はしゃぎしていました。

子どもは反応が素直なのでかわいいですよね。

この祭りの隠れた名物になっています。
 

 

これは獅子が喜んでいる習性じゃ。

 

 

 獅子に頭をかまれてみよう

舞い終わると獅子たちが退場するためにステージから降りてきます。

ロープは張られていますが、このときに観客は獅子を間近でみることができるチャンス。

子連れの親子たちがこぞって獅子の近くまでやってきます。

そこで何が起きるのかと言うと・・

 

「がぶっ!」

 

獅子がこどもの頭にかみつきました。

たいへん。

だれか猟銃を持ってきてー。

いやいや。

はじめから親たちはこわばる表情の子どもを抱きかかえ、獅子に頭をかませようとしていたのです。

ときには怖くて泣きだしてしまう子どもたち。

・・を尻目に高笑う親たち。

ここぞとばかりに次々と切られるシャッター音。

子どもにとってはある意味地獄の時間かもしれません(笑)

でも、獅子にかまれると「厄払い」になると言い伝えられ、かまれた子どもはその一年を「無病息災」ですごせるといわれています。

恨むなら親をうらみましょう。

 

かわいそうに。かんにんにとくれ。(許してくれということ)

 

 

あっぽ(餅)拾いに参加しよう

この祭りの最後には「あっぽ(餅)拾い」が行われます 。

待ってましたといわんばかりに、会場内の人たちが投げ手の方の周りに集まってきました。

なぜただのお餅にこんなにも人が集まるのでしょうか?

答えは、お餅の中に「当り番号」が付いているからです。

当り番号付きの餅を拾うと、なんとその後に豪華賞品と交換してもらえるしくみになっています。(この地方の特産品ですけどね)

たしか一等は「国産高級和牛の飛騨牛」でしたよ。

そりゃあみんな目の色を変えて拾うわけですね。

「男性」・「女性」・「子ども」と会場を分けて行われるので、子どもがもみくちゃになってケガをする恐れのないようにしてあります。

一番白熱していたのが「女性」のところだったことは間違いありません。

 

まーずに女はおそがいもんなー。(恐ろしいということ)

 

 

まとめ

 今回は、「ふるさと祭り」について紹介してきました。

最後にもう一度、このお祭りについてまとめると、

 

 

・毎年10月の第3日曜日に開催される 町おこし のイベント

30頭の連獅子 が一番の見どころ

郷土芸能やたくさんの 郷土特産品(食)を堪能できる

・最後の「あっぽ(餅)拾い」で 豪華賞品が当たる かも

 

 

こんなお祭りとなっています。

 

今回調べていておもしろかったのは、30数年前の「地方博覧会」がきっかけでこの祭りうのはじまったということ。

日本はちょうどバブル景気のころで、イケイケな感じだったんでしょうね。

ちなみに、岐阜で行われた「未来博’88」では、岐阜城にあのスティービーワンダーがきて出演されたみたいですよ。

この岐阜に、しかも宇宙人役で。

すごく見に行きたかったんですけど当時ぼくは3歳。

残念ながらタイミングが合いませんでした。

しかしながら、とても勢いのあった時代だったんだなと感じます。

 

このように「地方博覧会」が発端となって今でも行っているイベントは全国にどのくらいあるのでしょうか?

はじめは時代の勢いもあったでしょうが、次第にそれも薄れてきます。

このふるさと祭りも運営の負担が大きいために、一時期は存続が危ぶまれたことがありました。

人口が1,100人の町で毎年5千人ほどが見に来てくれるイベントなので、それは運営するのに大変な労力がかかることでしょう。

それでも、地域の活性化や楽しみに見にきていただくお客様のために今でも続けることに至っています。

おそらくこれからも継続していくであろうこのふるさと祭り。

ぼくも支える側として頑張っていきたいと思います。

(実は、ぼくも獅子の中に入っていたんですよ)

 

 

 

シシガシラさん。貴重なご意見をありがとうございました。最後に一言お願いします。

 

来年は会場で会おう!

 

みなさんも来年ぜひ見に来てくださいね。

 

 

おまけ ~獅子舞のヒミツ~

 

町の人口の1割が獅子の中に入っている

獅子舞には何人の人が入っていると思いますか?

答えは90人。

1頭に3人が入るので、3(人)×30(頭)=90(人)

町の全人口は1,100人。

つまり、町民の 約1割 があの連獅子の中に入っているということです。

パーセンテージでいうと10%。

消費税と同じです。

しかも中に入るのは大人の男性なので、町民の男性陣はほとんどみんな集合しているようなもんなんです。

 

体張ってますねー。

 

 

中から透けて外が見えている!?

獅子舞の中の人はどうやって外が見えているのか知っていますか?

答えは 透けて見える生地になっている からです。

獅子舞の胴体部分につかわれているあの緑色の生地は、中から透けて見えるように作られています。

自動車のスモークガラスのようなものですね。

赤い獅子頭に注目しがちですが、中の人は外全体がうっすらと見えています。

だから、案外あなたも見られているかも。

悪い子がいたら食べられちゃうかもしれませんよー。

 

 

待ち時間には身を清めている

獅子舞は待ち時間に何をしているのか知っていますか?

答えは 身を清めている です。

ええ。

誤解のないように言っておきますが、あくまでも 身を清めている のです。

これはお祭りですから、活気をつけなきゃいけませんよね。

朝からこういったものを頂きながらお互いの近況を語り合ったりしています。

ちなみに、連獅子は午前と午後に1回ずつ行われます。

ということは午後からの獅子の方がご機嫌なのかもしれませんね。

 

獅子舞の中の人も赤い顔をしていることは内緒(笑)

 

 

それではまた。