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子どもに「お金」って何?と聞かれたらなんて答えますか?~お金のルーツを探る~

今回、お金のルーツを探るべく、子どもたちと一緒に近所の “ とある ”  場所へと行ってみました。

そこは田舎の象徴ともいえるのどかな風景の一部。

ぼくの住んでいる地域では道沿いにたくさんありますよ。

 

 

 目次

 

子どもに「お金」って何?と聞かれたらなんて答えますか?

 

とある日、子どもたちと一緒に遊んでいると、家庭通信教材にこのような内容が書かれているページを見つけました。

 

 

あっ!おかねだ。

 

 

「さかな と にく をこうかんしませんか?」 だって!

 

へぇー面白いね。

 

ととー。おかねってなーに?

 

お金ってのはね。えーと・・(汗)

 

改めて聞かれると、 お金 についてちゃんと説明ができない自分がそこにいました。

 

「いろんなものを買うやつ?」

「ドロボーに狙われる怖いもの?」

「天下の回りもの?」

 

こんなイメージはあるのですが、どこか的を得ていないような・・。

あたりまえのように世の中に流通して普段使っているお金ですが、恥ずかしながらその概念を深く考えたことがありませんでした。

 

え?えーと、お父さんが働いて もらって ご飯を 買って 食べるもの!(汗)

 

ふーん。

 

ぼくは撃沈しました。

同時に親としてこのままではいけないと感じました。

子どもにちゃんと説明できない悔しさと、大人として知識が足りないという恥ずかしさ。

人生を生きていく上で欠かせないとても大切なものなのに、どうしてこんなにも無知なんだろう?

ぼくはこの本をきっかけに、お金 について調べてみることにしました。

どのようにはじまり、どうやって変化してきたのか?

親として子どもになんて説明をするのが最適なのか?

家族が寝たあとに静かに布団から抜けだし、居間でこっそりと勉強することにしました。

 

・・ふむふむ。

 

なるほど!

 

大人になったに久しぶりに学ぶということをしてみました。

自分の知識になかったものを “ 知る ” ということはおもしろいですね。

 

人生は一生勉強です。

 

 

ちなみに、こちらの本を参考にさせてもらいました。

 

 

池上さんの本は本当に分かりやすいですよね。 

 

 

・・・翌週の日曜日・・・

 

 

よしこれから、お金について説明するよ。まずはお金がなかった大昔の暮らしを見てみよう! ( •̀ᄇ• ́)ﻭ✧

 

きゅうにどーした? ( ̄▽ ̄;)

 

 

これからお金の歴史について見ていきたいと思います。

 

物々交換の時代

それはそれは大昔。

そこには「お金」というものがまだ存在していませんでした。

人々はというと、海では魚を、山ではシカやイノシシをつかまえて、それを食べて暮らしていたんだって。

だけど毎日同じものばかり食べてると飽きてしまいます。

山でシカをとっていた猟師さんはある日 “ 魚 ” が食べたくなりました。

そんなときどうすればいいと思う?

 

おさかなつりをするー。

 

うん、それも一つの方法だね。

でも、答えは「 “ 肉 ” と “ 魚 ” を交換してもらう」でした。

自分で魚をとりに行ってもいいんだけど、山にも海にも行くのは大変だよね。

だから山でシカをとっていた猟師さんは、魚をもっている人の所へいって“ 肉 ” と “ 魚 ”  を交換してもらっていたんだ。

そうすれば猟師さんは海に出なくても魚が食べれらるよね。

このように、モノとモノを交換することを 物々交換 といいます。

昔の人はモノを交換し合って暮らしていました。

 

へー。

 

 

市場のはじまり

でも1つ問題がありました。

肉を持っている猟師さんが、いつも「肉を魚に交換してくれる人」を見つけられるわけではないということです。

自分がいいものを持っていても誰も交換してくれる相手がいなければ意味がないですよね。

  

そこで昔の人は「みんなが一か所に集まる」という方法を思いつきました。

 

これが 市場 のはじまりです。

市場っていうのは、魚が欲しい人も、肉が欲しい人も、みんなが同じところに集まって物々交換をしようとするもの。

いろんな物をもっている人がたくさんいれば、自分が欲しいものを持っている人がみつかりやすいよね。

 

三日市、四日市という名前の町を見かけることあります。それは、昔そこで3のつく日や4のつく日にみんなが集まった場所があった証拠なんですよ。

 

 

みんなが欲しがるものと交換

市場によって多くの人が効率よく物々交換できようになりました。

しかし、それでも交換したい相手をどうしても見つけられない場合があります。

そんな時はどうしたらいいでしょう?

 

しらん。

 

答えは「みんなが欲しがるものと交換しておく」でした。

これはちょっと難しい問題だったね。

たとえば、男の子はかっこいい「リュウソウジャーのおもちゃ」が欲しいけど、女の子はかわいい「リカちゃんの人形」が欲しいよね。

人によって好きなものや欲しいものって全然違うんだ。

でも、もし みんなが欲しがるもの があるとしたらどうなると思う?

それを持っていればみんなが欲しがるから何にでも交換できるんだ。

これってすごいアイデアじゃない?

 

え?それほしい。くれー。

 

じゃあみんなが欲しがるものって何だろう?

これがお金の起源となっていくんだよ。

 

 

お米がお金のかわりに使われていた

じゃあ、みんなが欲しがるものといったら何だろう? 

答えは日本であれば「お米」です。

みんな毎日食べるお米は、日本人の主食として誰もが生活をする上で欠かせない食料です。

しかも、肉や魚はすぐに腐っちゃうんだけど、お米なら割と長い間保存がきくよね。

他にも「布」、中国では「貝がら」、古代ローマでは「塩」が使われていたんだって。

この保存がきくところがキーポイントとなります。

だからとりあえず稲に換えておいて、自分が欲しいものを後から探して交換することができるようになりました。

ちなみに、稲のことは「ネ」と呼ばれていたそうです。

だから今でもモノの値打ちのことを「ネ(値)」と呼んでいるんですね。

 

 POINT <お金の3つの役割>

 

・モノと交換する    買いものができる

・モノの価値をはかる  比較ができる(どっちが高いか安いか)

・モノの価値を貯める  保存がきく

 

こうしてお金というものが生まれたそうです。

普段何気なくつかっているお金ですが、長い歴史の中で考えつくられた仕組みだったんですね。

この後、金貨や銀貨、紙幣と変わっていき、近年では電子マネーといった目に見えないものに移行しようとしてます。

この「お金」というものの形は、時代と共にこれからもどんどん進化していくことでしょう。

 

つまり、お金とは・・

 

自分の欲しいものと交換できる便利なもの!

 

と子どもに説明してあげましょう。

「買う」というより、「交換」といった言葉を使う方がニュアンスがいいですし、子どもが聞き入れやすいと思います。

補足的に、

 

・昔は「肉」や「魚」や「お米」がお金みたいなものだったんだけど、食べ物だとすぐに腐っちゃうからコインとお札になったんだよ

・お金は稼がないともらえないんだ、だからお父さんお母さんは頑張ってお仕事をしているんだよ

 

と説明できればOK!

ぼくの中での結論がでました。

 

 

・・そういえば、今は10月。

稲刈りの時期です。

 

よし!じゃあ散歩がてらお米を見に出かけてみよう。

 

うん、おそといくー!

 

 

お米について

 

田舎の水田

ということで、近所の田んぼへやってきました。

稲の先にはまるまるとした穂が実り、さやさやと風にゆられています。

太陽の光をあびた黄金色のじゅうたんは、まるでふかふかのベットのよう。

散歩をしていると気持ちがいいですね。

 

きんいろになってるー。

 

これがお米になるんだよ。

 

この町内では、水田用水として 山水 を利用しています。

田んぼの脇に水路が通っているんですが、これは山から自然に流れる水をひっぱってきたもの。

東南アジアの国「ミャンマー」では井戸を掘って水をポンプでくみ上げたり、雨水を貯めて利用しているそうです。

各国や各地域によって水の確保する方法が違うんですね。

そう考えると、山水っていうのはありがたい天然資源です。

 

 

あ!あっちでなにかやってるよー。

 

うん。見に行ってみよう。

 

 

お米の収穫

農家さんが収穫作業をしているところでした。

「コンバイン」という機械を使って収穫しています。

 

すごい。はやーい。

 

ほんとだね(汗)

 

バックするときの早さが尋常じゃなかったのでびっくりしました。

「コンバイン」ってあんなに早く走れるんですね。

 

ぼくも子どもの頃に稲刈りの手伝いをしたことがありますが、体じゅうがかゆくなってすぐにお風呂に入った覚えがあります。

これは籾殻(もみがら)に含まれる成分が空気中を漂い、皮膚に付着すると起きる現象。

なので稲刈りをする際には出来るだけ肌を隠すようにしないといけません。

 

鼻をかむと真っ黒な鼻水がでます(笑) 

 

 

脱穀、乾燥、もみすり、精米

(写真は、「はざがけ」と呼ばれる天日干し方法)

 

 みなさん収穫してからどのような工程を経てあの白いお米になるのかを知ってますか?

 

 POINT <お米の収穫後の工程>

 

①乾燥    天日干しにする

脱穀    稲からお米の実だけを取りはずすこと ⇒種もみになる

③もみすり  実から籾(もみ)を取り除くこと   ⇒玄米になる

④精米    実米から糠(ぬか)を取り除くこと  ⇒お米になる

 

稲から取り外されたばかりの実には籾(もみ)と糠(ぬか)のダブルコーティングがなされています。

なので、これを順番に取り除いていく必要があるのです。

玄米というのは実から籾(もみ)を取り除き、糠(ぬか)がまだ付いているもののこと。

そこから糠(ぬか)を取いたものが普段目にする白米となるわけです。

 

ちなみに、健康を気にしてみえる方には “ 玄米 ” を好んで食べられる方も多いですよね。

その理由は、精米する前に付いている米糠にはたくさんの栄養素が含まれているからだそうです。

実際に “ 玄米 ” には、白米に比べて “ ビタミン ” や “ 食物繊維 ”が多く含まれているため、女性には嬉しい「若さを保つ効果」や「腸内環境を整えてくれる効果」があるそうですよ。

うちでもたまに玄米ご飯が食卓に並ぶことがあります。

でも・・

 

しろいごはんがいい!

 

子どもには不評みたいですね(笑)

 

先ほどの写真にあった「コンバイン」という機械を使うと、稲刈りと ②脱穀 までを同時に行ってしまうので、後から乾燥を行います。

 

田舎のJAにはコイン精米機も設置されています。

 

おなかすいた。かえろー。

 

 

お米ができた

 

いっただっきまーす!

 

こうしてようやくお米はぼくたちの家庭にやってくるのです。

みなさんおいしく炊いてめしあがれ!

お米のことを勉強した後だとなんだかいつもよりご飯がおいしく感じますよね。

 

 

むかしむかし。 

お米は大切な保存食でした。

野菜は発酵させて漬物にし、さつまいもや柿なんかは干して干物にする。

長い冬をこえるためにいろんな知恵をはたらかせて、いかに長く食べ物を保存さようかと考えたことでしょう。

お金についてもそうでしたが、この「保存」ができるということがキーポントとなっていますね。

そんな貴重な食べ物だから、当然粗末にしてはいけない。

その教えは今の子どもにもちゃんと引き継いでいかなければならないと思います。

そして、秋にたくさん実のり収穫できた作物に感謝の意をこめて、また農民たちがお互いに苦労をねぎらう意味も込めて、秋祭り が続いて来たことも忘れてはなりません。

 

今年もいい米ができたどー! 

 

 

 

まとめ

ということで、今回はお金のルーツからまさかの稲の収穫までの流れを紹介しました。

 

再びお金のルーツをまとめると、

・物々交換の時代(だけど、交換してくれる相手がいないときがある)

・市場ができる(だけど、自分が持っているモノが相手の欲しいモノじゃないときがある)

(そして、すぐに交換できないと魚や肉は腐ってしまう)

みんなが欲しがる & 保存がきく モノに交換しておく ⇒ お金の誕生

・日本の最初のお金は「お米」や「布」だった

ということになります。

 

日本人はお金についてのリテラシー(知識・理解)があまりないと言われています。

最近では国が、iDeCo(イデコ)や NISA(ニーサ)という個人向けの投資制度をつくり推奨していますが、なかなか金融に対するアレルギー反応ってなくなるものではありません。

ぼくも名前を聞いただけでもう無理!って目をそむけたくなる感じです。

 

でもその原因として、ぼくたちは誰にもお金について教わってこなかったことがあるかもしれません。

お金といえば「メシを食っていく為に働く」という古くからの固定概念しかぼくには残っていません。

そして、稼ぐことが「悪」みたいな風潮ってありますよね。

そうでない方がみえたらすみません。

 

ぼくは子どもたちにはそうなって欲しくないと思っています。

お金って古くから生活していく為に必要なとても大事なものでした。

ならば、

 

・お金稼ぐにはどうしたらいいのか?

・どうやって使うのがかしこいやり方なのか?

 

それは誰かがちゃんと教えてあげなきゃいけないものだと思います。

学校じゃ教えてくれないならば、おうちで親が教えてあげれたらいいですよね。

勉強しなきゃいけないけど(笑)

池上さんの本の中にも書いてありましたが、

お金をかせぐのに一番大切なことは「人が喜ぶもの」をつくることだと言っています。

これはぼくの中には無かった価値観でした。

お金は食べ物を買うだけじゃなくて、「人が喜ぶもの」をつくって暮らしをより豊かにしていく仕組みでもあるということです。

 

親が毎日つらい顔をして仕事に通っていると、子どもがお金は “ 我慢の対価 " としてもらうものなんだと認識してしまいます。

そうではなくて、「人が喜ぶもの」をつくりだし、そしてそのつくったものでまた「人が喜ぶもの」をつくりだすといったよい循環のなかに仕事というものがあること。

子どもは自分の得意なことで「人に喜んでもらえる」仕事を見つけられればいいんです。

決してエリートになる必要はありません。

 

そのためにはまずは親が壁をうちやぶり、お金と真正面から向き合うようにしましょう。

ぼくもいろんな本を読んで頑張ろうと思います!

お金とは素晴らしいものなんだということを子どもにもちゃんと理解してもらいたいですね。

 

子どもと共に親も学んでいきましょう。

 

人生は一生勉強です。

 

ちなみに冒頭で読んでいた本は月刊ポピーという家庭通信教材です。

 

 

親子で楽しみながら学べたり、子どもの " 知りたい " を引き出すきっかけになります。

 

子どもがお金に対しての健全な知識をもって、上手に使えるように成長してくれたらうれしいですね。

 

子育ては親も子どもと共に成長することが大切です。

 

 

それではまた。